


まだまだ暑さの残る季節ですが、
標高約1,200mに位置する草津温泉では、
朝夕の涼しい風に少しずつ秋の気配が近づいています。
夏の賑わいも落ち着いたこれからのシーズンに
草津を訪れるなら、温泉や紅葉とともに
ぜひ注目していただきたいのが、
高原育ちの秋の味覚「花まめ(花いんげん)」。
「ベニバナインゲン」と呼ばれる大粒の豆、「花まめ」は、
涼しい気候を好み、標高の高い場所で栽培されるのが特徴で、
草津町をはじめ、中之条町や嬬恋村、長野原町など
吾妻地域の高地で育てられてきました。
標高約1,200mの草津周辺は、
まさにこの花まめの生育にぴったりの好適地。
直径約3cmにもなる存在感のある大粒の豆は、
紫と黒が織りなす美しい “まだら模様” が印象的です。
じっくり煮ると、ほっくりとやわらかく、
豆そのものの風味とほのかな甘みが広がります。
厳しい冬を迎える高冷地に根付き、
長く地域の暮らしを支えてきた花まめは、
単なる「草津土産」ではなく、この土地ならではの
気候や食文化そのものを映した味覚のひとつです。
夏、つるを伸ばして鮮やかな花を咲かせた花まめは、
秋になると大きな莢を実らせ、やがて収穫の季節を迎えます。
地域では古くから煮豆として親しまれ、
お祭りや冠婚葬祭などのおもてなしの席に供されたほか、
お正月のおせちに入れる家庭もあるようです。
温泉街を歩いてみると、あちらこちらで
「花豆」「花いんげん」の文字を目にします。
現在では煮豆だけでなく、甘納豆や甘露煮、
羊羹などの和菓子をはじめ、バウムクーヘンやタルト、
ソフトクリームなど、さまざまなスイーツでも楽しまれています。
ちなみに、花まめなどのベニバナインゲンを含む
インゲンマメの花言葉は「豊かさ」「必ず来る幸福」「喜びの訪れ」。
つるを伸ばしながらたくさんの実を結ぶ姿から、
豊かな実りや幸福を連想させるようになったようです。
旅先で出会った花まめを大切な方へのお土産に――。
そんなふうに花言葉を添えて選んでみると、
いつもの草津土産も少し特別なものになりそうです。


花まめが実りの季節を迎える頃、
草津の山々にも少しずつ秋色が訪れます。
標高差の大きな草津では例年、9月下旬頃になると
標高の高いエリアから少しずつ紅葉の便りが届き始めます。
草津白根山周辺や芳ヶ平などでは、
ナナカマドをはじめとする木々が色づき、澄んだ高原の空気のなか、
夏とはまた違った山の表情を見せてくれます。
そこから季節が進むにつれて、紅葉の彩りは少しずつ温泉街へ。
標高差があるからこそ、場所を変えながら長く
秋景色を楽しめるのも草津ならではの魅力です。
※草津白根山周辺は火山活動等により立入規制が行われる場合があります。お出かけ前に最新の道路・観光情報をご確認ください。

